dimanche 14 septembre 2008

シンプルに・・・

 今日は一日を通して忙しかった。仕込みの時間も営業中も。

 普段朝は魚をさばいているんだけど、カルトを新しくしてから肉料理を3品に増やしたので、それに加えて肉の下処理までしなくてはならない。忙しいのは好きなのでいいんですが、人が少なくなって仕事が増えたので、なんだかなぁという感じ。まぁ、肉を使って仕事ができる喜びもあるんですけど・・・

 と言うことで、昨日の続き。

 シンプルに料理することは、簡単に料理をすることと同義語ではないと思っています。

 まずは食材ありきだと僕は思っています。そしてその食材に対する理解と自分なりのアプローチを持って的確に料理すること。的確にと書くとあいまいかもしれないけど、切り出し方や火の入れ方、元を辿ればその保存方法までが料理という言葉の中に入っていると思っています。

 どんなに複雑な料理も、例えば、料理所に何ページにもわたって書かれるような料理も、一つ一つの作業は単純な作業です。そして、単純な作業の集合体としての複雑な料理と呼ばれるものがあると、僕は認識しています。そういう目で料理を見ています。

 僕もまだ道半ばです。すべての仕事がはっきりとクリアーに見えているわけではありません。でもそうありたいと思って、いつも自分がしていること、他人がしていることを観察しています。

 僕が思うシンプルに料理するということは、一つ一つの作業を的確に処理していくこと。鍋やフライパンの中にただやみくもに食材を入れて火にかけるだけではそれっぽいものはできてもおいしくはなりません。

 一つ一つの作業は食材を美味しくするためのものであり、それがしっかりと出来たとき、必ず美味しいものができるのだと信じて、そして、その力がついたとき、より良い食材を求める自分がいるのです。

 シンプルなことは簡単なこととはわけが違う。

 簡単にやるから値段を下げる、値段を下げるから食材の質を落とす。このわけのわからない2段論法をシンプルと呼ぶのならば、お客に対しての誠意がないし、料理人の誇りをバカにしていると思いました。

 取り合えづ、大幅に食材の質を下げることは回避できました。当初は、業者をすべて変えるようなことも話し合っていましたから。

 でもこうした話し合いは、今まで全くなかったこと。この機会にパトロンが何を考え店をやっているのか、本音と建前みたいのがはっきりとわかったような気がします。

 彼は、彼の店で働く人の「働く喜び」を考えた事がないんだろうなと思いました。

 明日は気が向いたらその辺を。ではまた明日。




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