lundi 23 juin 2008

観察力~ちょっと愚痴も・・・

 料理人は最初から料理ができるわけではありません。また、料理人という仕事は料理をする仕事であるので、調理場で料理が教えてもらえるわけではありません。たまに目の前で見習いの子にやって見せることはありますが、人が少ない店なんかではなかなか時間も取れませんから1度や2度見たらできるようにならなければいけません。

 最初は必ずと言っていいほど失敗して、怒られて、また失敗して、また怒られて…という感じで少しづつ料理を覚えていくんです。

 ここで、いろんなタイプが出てきます。要領良くすぐにできるようになる子とそうでない子。一回はうまくできるけどなかなか安定しない子、なかなかできるようにならないけどできるようになったらまず失敗しない子。

 観察力が優れている子はコツをつかむのが早いんです。誰かがやった動作をそのまま真似をするための観察力ではなく、真似をしていく過程で起こっていること、つまり自分がやっていることをしっかりと観察しながらやれる子は覚えが早い。自分なりに作業に意味を持たせることができるのでコツをつかむのが早いんです。

 もちろん、教える方にもいろいろあって、上手い人もいれば下手な人いますから。僕は今まで何人かの教え上手な人に出会いましたが、なかなかそんなにいません。いつも、自分で考えながらやってきましたが、時として遠回りなこともあったりして、うまく教えてくれる人がいればなぁと思っていました。

 でもなかなか教えてくれる人がいないのも事実です。わざと教えてくれない人もいましたし。でもぼくはいつも思っていたんです。チームみんなのレベルが上がればもっといい仕事ができるじゃないかって。自分のポジションを守るが為にツマラナイことをする人がいっぱいいます。

 僕は、僕が知っていることであれば喜んで教えるし、その作業のポイントをわかりやすく教えるようにしています。

 フランス料理で言うブリュノワーズという野菜の切り方があるんですが、これは野菜を小さい角切りにします。ある時アプランティの子がこれをやってるんですがうまく形がそろわない。まっすぐ切れないというのでしばらく見ていたら彼の目線が包丁の刃に行っていることに気づきました。野菜の形を気にするあまり刃先に目が行ってしまっていたんです。これでは包丁をまっすぐ下ろすことはできません。僕はそのことを注意してあげると彼はかなり喜んでいました。もちろんまだまだ経験不足もあるのできれいなブリュノワーズにはなりませんでしたが、一つ謎が解けたような顔をしていたのを覚えています。

 わからないこと、できないことがあるのは当然。みんなができるようになること、チーム全体がそういう雰囲気になることがどれだけ店に利益をもたらすことか。

 できると思ってやっていますが、なかなかどうして難しい問題でもあります。

 料理人という仕事のとらえ方は、人それぞれですからね。


↓なんだか最後は愚痴っぽいかな?クリック、シィル・ヴ・プレ。
にほんブログ村 料理ブログ プロの料理へ

Chanson du Jour : So In Love / Curtis Mayfield

Aucun commentaire: