毎週末のように飲んでいるワイン。フランス語で言うとVINと書いてヴァン。
これまで色々飲んできましたが、常に基準となっているのは今から10年以上前に飲んだある一本です。
Domaine Drouhin がアメリカはオレゴンで作るOREGON PINOT NOIR 1993 です。
これはあるソムリエの方のお店でお手伝いとして働いていた時に、仕事上がりに飲ませてもらったものでした。
僕の記憶の中でこの時のこのワインから立ちのぼった香り以上の物を経験したことがありません。
そして、この時から僕はワインにはまったのだろうと思います。
それまでは、いわゆるお酒はアルコールが入っているものという感じでした。基本的にはビールとウィスキー。それがあの時を境に変わってしまいました。あくまでも変わってしまったというところを強調しておきます。
今となってはワインを勉強するという意識は全くないですが、当時はワインブームやら、飲食業に足を突っ込み始めたことなどが相まってかなりそういう意識がありました。でもワインを勉強するには・・・
お金がかかるんですね。その当時そのソムリエの方から言われた、「ワインを勉強するには、身体的にも経済的にも体力がいる」という言葉を今でも覚えています。身体的には問題なかったけど、経済的にはつらいものがありました。そして、色々な地域のワインを飲み比べていけばいくほど、ブルゴーニュのピノ・ノワールの薄い色調ながらもしっかりとした酸味と旨味をもったワインに魅かれていくんです。そして、世界が欲するブルゴーニュ。ボルドーもそうですが、そのほかの地域に比べれば格段の違いで高くなっていくんですね。
ある時、ちょっとブルゴーニュをあきらめかけていた時もありました。あまりにも高くつくので。結構飲みますから、僕は。
そして今、フランスにいます。
ここフランスでも、ブルゴーニュは他の地域に比べて割高なワインです。日本に入ってきているブルゴーニュはそのほとんどがあまりお手軽なものではありません。同じ輸送コストをかけるならば、少しでも単価が高いものを持ってくるのは当然でしょう。こちらには街中に必ずワインショップ、つまり酒屋ですね、がありますが日本のワインショップで並ぶような品ぞろえではありません。逆にいえば、お手ごろな価格のワインがそろっているのです。その中にももちろんブルゴーニュも。この幸せを享受せずにはいられるでしょうか?
そして今飲んでいるのも、もちろんブルゴーニュ。
AOC BOURGOGNE HAUTES COTES DE NUITS 2007 / Charles Munier
すでに2007です。でも今飲んでもおいしい。乳酸発酵によるものなのか、口当たりがとてもまろやかです。アルコールが支配的な中にも、フルゥーティーな香り。7.5€。お試しあれ。
日本でワインを買う場合、ブショネ以外にも、輸送によってダメージを受けるワインが少なくないことをしっかりと頭に入れておくことが必要です。そしてあの暑い夏をどういう状況で保管しているのかということも考慮すべきだと思います。これはワインを売る側の問題ですね。
日本で売られている多くのワインが、その本来持っている美味しさを伝えることなく消費されていると思うのは僕の錯覚ではないと思います。
こうして何気なく飲んでいる安ワインのおいしさですら、たまに一時帰国する時に飲むワインでは味わう事が出来ないのですから。
何だか飲みながら更新していたらダラダラと書いてしまいました。色々なものが日本でも味わえるようになったとはいえ、ワインを愛するものとしてどうにかしてほしいなぁと思うのでした。
それでは、また明日。
ごきげんよう。
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