samedi 12 juillet 2008

星付きレストランはもうからない

 フランス全体ではいくつあるかは知りませんが、パリには大体70数件の星付きレストランがあるかと思います。その中で3星であるのは10件だったかと。

 その中の幾つかはホテルのメインダイニングとしてホテルの中に入っています。

 いま時の3星クラスのレストランの厨房には大体20から25人の料理人が常時働いているでしょう。そしてサービスにもかなりの人数がいますね。そして高級食材を惜しみなく使用して最高と言われる料理を作っています。

 以前、フランスの星付きレストランはすごく高いということを書きましたが、その値段でも、実際にちゃんと経営が成り立っているところは少ないそうです。特にホテルに入っているところは。

 ある有名な3星レストランは、毎年毎年2から3億円の赤字が出るそうです。それでも存在し続けられるのは、ホテル側にしてみれば自分のホテルに3星があることがステータスなわけで、それぐらいの赤字はどうってことがないようです。

 ちなみにパリにある有名なホテルの多くは、持ち主がアラブの石油王たちです。かなりのお金持ちですね。

 すべてのレストランがこういう状況ではないと思いますが、こうなってくると、3星であることの意義とは何であるのか?と思ってしまいます。赤字を出し続けるレストランが存在する意味はどこにあるのか?ちょっとわからなくなりますね。

 また逆に利益主義に走りすぎるとそれはそれで叩かれたりする業界でもありますから、バランスを取るのが大変ですよね。商売をする以上、利益を追求するのは当然だと思うんですけど。レストラン業は慈善事業ではないですからね。

 でも、実際にいろんな数字のことがわかってくるとなおさら、レストランを経営するのは大変だなぁと感じます。キチンと従業員の給料や、さまざまな経費を払って、なおかつ利益を上げていくこと。

 星の数が増えると、かかる経費も増える傾向にあるようです。これを思うとき、僕が働いている店のパトロンの本当の胸の内がわかるような気がします。

 でも、一料理人として、今のレベルを維持しようとすることは、少しづつ後退していくことだと思っていますので。難しいです、いろいろとね。

 星の数が増えて利益が減るようでは、意味がないですからね。


↓考えすぎは体に毒。クリック、シィル・ヴ・プレ。
にほんブログ村 料理ブログ プロの料理へ

Chanson du Jour : 7 O'clock / The London Quireboys

Aucun commentaire: