dimanche 13 juillet 2008

フランス料理のバイブル(Le Guide Culinaire )

 フランス料理をやっている人なら一度は聞いたことがあるでしょう。オーギュスト・エスコフィエ。そして、この人の有名な著書である、Le Guide Culinaireはフランス料理をする人にとって、一つのバイブル的なものでもあります。



 日本にいる時に、これの日本語翻訳版が出版された時があって、何度か購入しようか悩んだんですが、かなり高額だったのと、料理の本って、結構買っても見ないのでやめた記憶があります。本棚の肥やしになることがほとんどなんですよね。高いですしね。



 でもって、こちらに来てからしばらくした時、こっちでの生活にも慣れちょっと精神的に余裕が出てきたころ、ふらっと近くの本屋に寄ったらあったんですね、この本が。その時は本自体に値段が書いておらず、どうせ高いんだろうとたかをくくって買わなかったんですが、後日ほかの本屋で見かけたときに何と30€の表示が。即購入してしまいました。その当時、ユーロは確か130円位でしたから、日本での翻訳版に比べれば屁でもない値段です。ただ、その当時はわからない言葉ばかりでしたけど。



 そして、今現在。なかなか仕事をしてると本を読む機会ってありません。ただレシピを確認するためだけに読むと言うのは僕としては結構難しくて、そこからいろいろなことを想像したり、そのレシピを頭の中で作業をしてみたりして、結構時間がかかるんです。楽しい時間ではありますけれど。



 こっちで働いていると、そしてフランス人と触れているとやはり文化や習慣の違いなどをもろに 実感する時があります。特に僕の仕事は料理することですから、フランス人の中では様々なことに対してある共通意識みたいなものがないんですよね、僕には。この料理は普通こう言う感じとか、これは普通こう言う風にして食べるものとか。その普通というところが僕にはやはりない。ですから、そこの辺はやはり僕がすり寄っていかなければならない部分なんですよね、外国人ですから。



 そんなとき、この本をパラパラっと見ることがあります。特に何か解決策が書いてあるわけでもないんですが。レシピがずらっと載っているだけみたいな本ですから。気休めですかね。そして、適当なところを見つけてしばし読みふけります。



 この本は、今の料理本とは違って、写真なんて一切ありません。一つの料理の説明もページの大体3分の一から半分程度。そんなに丁寧な本ではありません。でもだからこそ面白い。いろいろ想像がわくし。今の厨房だったらどこでどういう風に作業を進めようとか、かんとか・・・実際に作ってみたくなります。



 この本が出版されてから早100年以上。いまではこれに載っているような料理を学べるところはそう多くないと思います。もはやだれにも作られない料理もあるでしょう。でもやっぱり、外国人としてここフランスで料理をする以上は意識しなくてはならない本の一つではあります。



 僕の元同僚で、おじいちゃんの代から料理人の家系の奴がいました。おじいちゃんは元2つ星のしシェフ、お父さんもシェフ、そして彼は今はまだ若いけど、有望な料理人。彼がある時僕にいました。



 「僕はおじいちゃんが使ってたギィッド・キュリネールを持ってるよ。もうボロボロで、なんだか変な匂いがするけど、それに全部載ってるぞ」ってね。



 なんだか、まだまだ道は遠そうですね。








↓日本風サラダなんて言うのも載ってますよ。クリック、クリック、シィル・ヴ・プレ。
にほんブログ村 料理ブログ プロの料理へ

Chanson du Jour : Kickin' My Heart Around / The Black Crowes

Aucun commentaire: